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患者のみなさまへ

子宮脱治療センター

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特色 

 子宮脱とも呼ばれる女性骨盤臓器脱は、出産の影響や加齢に伴って、腟が裏返るようにして、外陰部から脱出してくる疾患です。入浴の際に外陰部のピンポン玉のような突出に気がついたり、外陰部に物がはさまったような違和感に気がついて受診される方がほとんどです。
 また、尿道が男性に比べて短いため、女性の方は、笑ったり、くしゃみをしたりというようなお腹に力が入ったはずみに尿が漏れる(尿失禁)という経験をされる方が少なくありません。
 全女性の1割以上のかたが、生涯のうちに、このような症状に対する治療が必要になる、という推計もあるくらい、多くの方が悩まれる症状ですが、誰にも相談できずに悩んでおられる方も多くいらっしゃいます。また、泌尿器科と産婦人科の境界領域の疾患であるため、そのどちらかを受診しても、場合によっては十分な対応が受けられない状況も発生します。
 当センターでは、婦人科が窓口となり、泌尿器科と共同で診療にあたっております。
 治療は、保存的な治療と、手術治療になります。命にかかわるような病気ではないので、病状をよく説明して生活習慣についての指導をさせていただくだけで、治療を行うことなく安心して過ごされる方もたくさんいらっしゃいます。
 まずは保存的治療による管理を相談させていただきます。骨盤底筋体操、保存的管理用下着(フェミクッション、サポーター)の紹介、生活指導、腟内リングペッサリーによる管理などの方法があります。
 手術については、さまざまな方法があります。その方の年齢や、環境、病状によって最良の治療法は違ってきますので、患者さんひとりひとりにあわせた最適な方法を選択することが重要です。
 当センターでは、現在日本で行われているほとんどすべての手術方法が実施可能です。2020年度よりロボット補助手術(Davinci Xi)による仙骨腟固定術が保険収載されました。これまで腹腔鏡で行ってきた腹腔鏡下仙骨腟固定術は、原則として当科では、より精密な手術が行えるロボット補助手術で実施することとしました。
 2021年から、経腟腹腔鏡手術による骨盤臓器脱手術を開始しました。これによって人工材料(メッシュ)を使わない、より再発の少ない治療が期待されます。
 腹腔鏡下腟仙骨子宮靭帯固定術(腹式Shull縫合)は、当科では、人工材料(メッシュ)を使わずに強固な腟の吊り上げが期待できる術式としてこれまでから実施してきましたが、2022年からは、この術式が保険収載されましたので、今後はより多くの方にこの方法を提供できることとなりました。
 このようにこれからも、的確な診断と、丁寧な話し合いを通じて、最適な治療法を提供することを行ってまいります。
 患者様のご紹介は、産婦人科外来へお願いいたします。

医療関係者のみなさまへ

主要疾患

女性骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、腟脱症)
女性尿失禁(腹圧性、切迫性)
女性過活動膀胱

診療実績 (2022年)

骨盤臓器脱手術  33例
    腟式子宮摘出術、腟壁仙骨子宮靭帯固定挙上術、腟形成術 (NTR)  7例
    腟式メッシュグラフト留置術(TVM手術)           6例
    腹腔鏡下仙骨腟固定術(経腹メッシュLSC手術)              0例
    ロボット補助下膣仙骨固定術(経腹メッシュRSC手術)       5例
    腟閉鎖術                            14例
    経腟腹腔鏡手術(V-NOTES 重複あり)                                    5例
    
腹圧性尿失禁手術
    中部尿道スリング手術(TVT)                 1例

 

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