糖尿病内分泌内科
トピックス
糖尿病教育入院再開のご案内(詳しくはこちらをご覧ください)
4/10(水)13:30~ 糖尿病のおはなし
5/8 (水)13:30~ 糖尿病の合併症のはなし
6/11(火)13:30~ インスリンのはなし
7/9 (火)13:30~ 糖尿病の検査のはなし
9/10(火)13:30~ シックディのはなし
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特色
1)対象疾患
1型糖尿病やコントロールの難しい2型糖尿病などインスリン治療が必要な糖尿病患者さんを中心に診療を行っております。また、内分泌疾患(甲状腺疾患、下垂体、副腎疾患など)の診療にも力を入れております。
2)地域における糖尿病専門機関としての役割
特に、地域の糖尿病診療専門機関としての機能を充実させ、糖尿病専門医を中心にコントロールの難しい糖尿病症例や合併症の進んだ糖尿病症例、妊娠合併糖尿病症例の治療に力を入れています。1型糖尿病患者さんに対するインスリンポンプを用いた持続皮下インスリン注入療法(CSII)を導入し、1型糖尿病合併妊娠や、内因性インスリン分泌の枯渇したブリットルタイプの1型糖尿病患者さんにも対応しております。また、持続血糖モニターシステム(CGMS)をいち早く導入して、血糖変動の少ないよりよい血糖コントロールの実現に努めているとともに、平成27年度からはCGM機能の付いたインスリンポンプによるSAP療法も導入しております。さらに、平成28年度末からSMBGによる校正の不要なCGMであるリブレproを、平成29年度には患者さん向けのフリースタイル・リブレも導入しております。
令和2年度より、1型糖尿病専門外来を開始しました。
3)充実した教育入院
一方、UKPDSなどの大規模臨床試験の結果からLegacy effect(遺産効果)と言われるように、糖尿病に合併する冠動脈疾患などの進展抑制に対して糖尿病発症早期からの血糖コントロールの重要性が指摘されておりますが、当科における糖尿病教育入院は昭和44年より続く伝統があり、非常に充実した糖尿病教育入院プログラムを実施しております。
4)糖尿病地域連携
また、現在もっとも力を入れておりますのが糖尿病地連携の推進です。これまでにも多くの患者さんをご紹介いただき、基本的に入院加療を行い、コントロールが良好になりましたら逆紹介させていただいております。当科の逆紹介率は100%以上となっています。後述しますように、糖尿病地域連携パスの普及促進をはかっており、ご開業の先生がたとのよりスムーズな糖尿病病診連携に寄与することを期待しております。
5)糖尿病チーム医療の実践~糖尿病ケアチーム(図1)
当科が中心となっております糖尿病・生活習慣病センターでは、糖尿病合併症治療において関係の深い、眼科、腎臓内科、皮膚科、形成外科など関係各科とのよりスムーズな連携に加え、コメディカル中心の糖尿病ケアチームの創設により、全病院的に均質なチームワークの取れた専門的糖尿病治療を目指しております。特に外来においては糖尿病認定看護師、糖尿病療養指導士による糖尿病看護外来の充実を図っております(糖尿症・生活習慣病センターの欄をご参照ください)。
図1
主要疾患
糖尿病(1型および2型、その他)の患者さんが8割程度ですが、診療科名変更以降は各種内分泌疾患の患者さんも増加しています。
主要検査
糖負荷試験(糖尿病の診断およびインスリン分泌能、抵抗性の検査)、
血糖日内変動測定
CGM検査(24時間持続血糖測定)
1日尿中Cペプチド、血中Cペプチド測定、グルカゴン負荷試験(インスリン分泌能の検査)
GAD抗体検査(1型糖尿病の診断)
1日尿中アルブミン排泄量測定、eGFR測定(糖尿病腎症の病期分類)
CVR-R、頚動脈エコー検査、ABI、TBI、CABI測定
無散瞳眼底カメラ、腹部エコー検査
甲状腺機能検査、甲状腺関連各種抗体検査、甲状腺エコー、ヨード取り込み率測定、テクネシウム取り込み率測定
その他各種内分泌ホルモン測定および負荷試験
(主な負荷試験)
原発性アルドステロン症の精査→カプトプリル試験、生理食塩水負荷試験、フロセミド立位試験、選択的副腎静脈サンプリングなど
クッシング症候群の精査→デキサメタゾン抑制試験、CRH負荷試験、下垂体静脈洞サンプリングなど
副腎皮質機能低下症の精査→迅速ACTH負荷試験、CRH負荷試験、連続ACTH負荷試験、インスリン低血糖試験など
下垂体機能低下症の精査(前葉)→TRH試験、LHRH試験、CRH試験、GHRP-2試験インスリン低血糖試験など
(後葉)→高張食塩水負荷試験、DDAVP試験など
診療実績
1)診療患者数
令和4年度の当科主観の入院患者数は285名、平均在院日数は10.4日で、多くが糖尿病患者さんですが、内分泌疾患精査目的の方も増えてきています。当科共観の入院患者数は1250名で、院内あらゆる科の患者さんの糖尿病治療を担当しております。一方、令和4年度当科外来定期受診中の患者数は2579名です。その内訳は(図2)、1型糖尿病219例(全症例インスリン治療中で25例がCSII)、2型糖尿病1680例(うちインスリン療法が700例、GLP-1製剤治療が430例)、甲状腺、副腎、下垂体、副甲状腺などの内分泌疾患の患者数が680名となっています。当科では、内服薬治療にてコントロール不良の糖尿病患者さんに対する、入院短期強化インスリン療法の施行による糖毒性の解除を積極的に行っており、一時的にインスリンを導入した患者さんの多くがインスリンを離脱され内服薬で良好なコントロール可能となっています。また、GLP-1製剤の入院による安全な導入も行っております。
現在はコロナウィルス流行のため行えておりませんが、月に1回教育入院を行っており、入院糖尿病教室、栄養指導への参加、合併症精査を通じて効率的に糖尿病についての十分な知識を習得して頂くことができます。また、感染が落ち着きましたら再開する予定です。
図2 令和4年度 糖尿病内分泌内科 外来患者内訳
2)教育入院の概要
糖尿病教室では5人以下の少人数の患者さんに月曜日から金曜日までの5日間の入院期間で、医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、歯科衛生士が下記のプログラム(図3)に沿って講義を致します。(最低開催人数2人)入院中に合併症の診断も行います。
図3 当院における糖尿病教育入院スケジュール
3)血糖コントロールのための入院
また、(図4)に当院における血糖コントロール入院の流れを示します。当院では強化インスリン療法による糖毒性の解除を積極的に行っており、入院中に一時的にインスリン治療を行った患者さんの約半数の方がインスリンを離脱して内服薬で退院されており、外来で良好なコントロールを維持しています(図5)。
図4 当院における、血糖コントロール入院(短期強化インスリン療法による糖毒性解除)の流れ
図5 短期強化インスリン療法による糖毒性解除後の内服薬治療成績
4)基本的に必ず逆紹介します
当科における逆紹介率は100%以上で、ご紹介いただいた殆どの患者さんが、退院後、元の医療機関に通院されています。
5)CSIIおよびCGM
さらに、1型糖尿病の患者さんを対象に最新のインスリンポンプを用いたCSIIを行っており、幅広い患者さんに対応しております(図6)。また、持続血糖モニターシステム(CGM)を早期から導入し、患者さんのよりよい血糖コントロールに役立てています。外来でのCGM施行も可能になりました。
図6
学会認定
日本糖尿病学会認定教育施設
スタッフ
写真 | 職名 | 医師名 | 専門分野 | 学会認定など |
---|---|---|---|---|
主任 部長 |
畑﨑 聖弘 |
糖尿病
|
糖尿病学会専門医・研修指導医・学術評議員 総合内科専門医 内科学会認定医・指導医・地方会評議員 内分泌学会評議員 病態栄養専門医(NSTコーディネーター) ・病態栄養学会評議員 医師会認定産業医 大阪大学医学部臨床準教授 |
|
医長 |
藤田 洋平 |
糖尿病 |
糖尿病学会専門医 |
|
診療 主任 |
畑 雅久 (はた まさひさ) |
糖尿病 内科一般 |
内科学会認定医・指導医 | |
医員 |
松井 俊郎 |
内科一般 | ||
医員 | 森田 祐加 (もりた ゆか) |
内科一般 | ||
医員 |
菅波 修司 |
内科一般 |
診療科からのお知らせ
上述のように、大阪市南部地域全体の糖尿病治療の向上を目的として、糖尿病地域連携パスの導入に取り組んでいます。この糖尿病地域連携パスのコンセプトは、
★糖尿病患者さんの通常の外来は、地域の開業医の先生方に診て頂きます。
★必要なときに、大阪急性期・総合医療センター 糖尿病内分泌内科に紹介して頂きます。
- 糖尿病初期で教育入院が必要
- HbA1c8%以上のとき(インスリン導入を含む)
- 合併症の精査が必要
★基本的に、必要な治療及び検査終了後は、逆紹介させて頂きます。
というものです。糖尿病地域連携パスに参加頂いた患者さんには、糖尿病連携手帳を持って頂き、これによりデータの共有を行います。パスの適応については、制限は一切ありませんので、糖尿病の患者さんならどなたでも大歓迎です。皆様のご利用を心よりお待ちしております。
リンク先
リンク名称 | URL |
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大阪糖尿病協会 | http://osakadiabetes.org/ |