脳神経内科
特色
- 全ての脳・神経・筋疾患について、急性期から慢性期にいたる全ての病期を対象にした診療を行っています。
- 救急診療として、脳神経血管内治療専門医3名を擁し、スタッフ全員で脳神経外科と共同で脳卒中センター(SCU12床)を運営し、脳卒中急性期のrt-PA静注血栓溶解療法や血管内治療による血栓回収療法を含めた包括的治療を365日24時間体制で行っています。またてんかん、脳炎、髄膜炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症クリーゼなどの神経系救急疾患を常時受け入れています。
- 大阪府の難病診療連携拠点病院として、脳・神経・筋疾患の難病診療を積極的に取り組んでいます。パーキンソン病については、通常の薬物療法に加え、様々なアプローチの投薬調整(レボドパ・カルビドパ配合経腸用液(LCIG)療法)や脳手術(DBS;脳深部刺激療法)の活用も行っています。筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症、認知症などの神経変性疾患、筋ジストロフィー、多発筋炎などの筋疾患、重症筋無力症、多発性硬化症・視神経脊髄炎などの神経免疫疾患等に対しても、診断確定後の長期的な診療および療養支援体制の確立に努めています。
- ボツリヌス療法を、痙性斜頸、眼瞼・顔面けいれん、脳梗塞後遺症に対して施行しています。
- 頸動脈狭窄症などの頭頸部血管障害のリスク管理やステント留置術の施行、臨床病型が未確定の脳梗塞の精査(有効な再発予防には必須)も行っています。
主要疾患
- 脳卒中;脳梗塞急性期(血栓回収療法、rt-PA静注血栓溶解療法)、一過性脳虚血発作、頸動脈狭窄・閉塞症(頸動脈ステント留置術)、頭蓋内動脈狭窄・閉塞症、脳梗塞各病型のリスク管理と抗血栓療法、脳出血、脳静脈血栓症、など
- 神経救急疾患;脳炎・髄膜炎、けいれん・てんかん、ギランバレー症候群など
- 神経変性疾患;パーキンソン病・症候群、筋萎縮性側索硬化症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、アルツハイマー病、レビー小体型認知症など
- 神経免疫疾患;重症筋無力症、多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、自己免疫性脳炎など
- 筋疾患;筋ジストロフィー、筋炎 など
- 遺伝性神経疾患;ハンチントン病、シャルコー・マリー・トゥース病など
主要検査
- 画像検査;MRI、MRA、CT、CTA、RI検査(脳血流SPECT、DATスキャン、MIBG心筋シンチ)、脳血管造影、頸動脈超音波検査、経頭蓋超音波検査、経食道心エコー図、下肢静脈エコーなど
- 神経生理検査;末梢神経伝導検査、筋電図、誘発筋電図、脳波など
- その他;筋生検、神経生検、髄液検査、Head-up tilt test、遺伝子検査など
診療実績
令和5年1月から12月に脳神経内科の入院担当患者数は788名(図1)で、令和4年末のランサムウェア攻撃によるシステム障害から当センターが徐々に立ち直り、5月にはCOVID-19が第5類感染症に移行後、通常の受け入れ体制に戻ったこともあり、昨年度から23%ほど増加しました。急性期脳血管障害患者は239名と入院患者の30%を占めています。脳神経外科とともに運営している脳卒中センターでは、rt-PA静注血栓溶解療法を23名、血管内治療による血栓回収療法を30名、頸動脈ステント留置術を15名施行しています。主に急性期虚血性脳血管障害227名を担当し、脳梗塞/一過性脳虚血発作の臨床病型、発症機序、危険因子を迅速に診断することで適切な治療を行選択し、またリハビリも早期に開始し、患者の機能回復と再発予防に努めています。また、神経変性疾患、免疫疾患、てんかん、筋疾患などあらゆる神経筋疾患の診療に注力しています。変性疾患の入院症例は182名で、うちパーキンソン病及び関連疾患が105名、神経難病の代表疾患であるALSが28名を占めています。神経免疫疾患は89例、てんかんは99例と一昨年のレベルに回復しています。図1に示すようにあらゆる神経・筋疾患について多数担当し、またこれらの疾患の診断期から終末期の合併症まで全ての病期に対応しています。通院患者のうち、指定難病認定を受けている患者数は770名で、日常のケア方針の決定も含め、大阪難病医療情報センターとともに大阪府の難病医療推進に貢献しています。さらに、遺伝子診療センターの協力のもと、遺伝性疾患の遺伝カウンセリングも積極的に行っています。今年度は通常診療に戻り、府民、地域の皆様方の付託に最大限応えていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
図1 入院患者の疾患内訳(788名)
診療科からのお知らせ
脳神経内科の外来診察は、初診も含め、原則として予約制をとっておりますが、当日の初診も受け付けております。特に急を要する症状に関しては、急患担当医師が迅速に対応いたします。ただし、当科の初診は、その特殊性のため診察時間が長くかかることが多く、予約外の患者様には病状によって後日の予約をお願いすることがあります。どうかご了承くださいますようお願い申し上げます。
学会認定
日本神経学会専門医教育施設,日本脳卒中学会認定研修教育病院です。
日本脳卒中学会よりprimary stroke center(PSC)core施設に認定されています。
スタッフ
写真 | 職名 | 医師名 | 専門分野 | 学会認定など |
---|---|---|---|---|
主任 部長 |
坂口 学 |
|
|
|
副部長 | 星 拓 (ほし たく) |
|
|
|
副部長 | 隅蔵 大幸 (すみくら ひろゆき) |
|
|
|
医長 |
東田 京子 |
|
|
|
医長 |
清水 幹人 |
|
|
|
医長 | 深阪 勲 (ふかさか いさお) |
|
|
|
診療 主任 |
島田 勇毅 |
|
|
|
レジデント | 佐藤 拓真 (さとう たくま) |
|
|
|
レジデント | 伊藤 舞 (いとう まい) |
|
|
|
レジデント |
友田 卓宏 |
|
|
|
非常勤 医員 |
澤田 甚一 |
|
|
外来予定表
リンク先
リンク名称 | URL |
---|---|
日本神経学会 | http://www.neurology-jp.org/ |
日本脳卒中学会 | http://www.jsts.gr.jp/ |
日本内科学会 | http://www.naika.or.jp/ |
日本臨床神経生理学会 | http://jscn.umin.ac.jp/ |
日本脳神経血管内治療学会 | http://jsnet.website/ |
日本ボツリヌス治療学会 | http://www.j-neurotoxin-therapy.jp/ |
日本脳神経超音波学会 | http://neurosonology.jp/ |