整形外科
特色
代表的な整形外科の病気の手術治療を中心に診療を行っています
整形外科では、体の部位では首から足の先まで、病気の種類では脊椎疾患、関節疾患、骨折・靭帯・軟骨損傷を中心とする外傷(けが)、神経障害、腫瘍・腫瘍類似疾患など、全身のさまざまな病気を診療します。近年では、高齢化社会の進行や趣味やスポーツにいそしむ方も増えていることから、整形外科で治療を受け、普段の生活・仕事・趣味やスポーツ活動に痛みに悩まされることなく復帰される患者さんが増加しています。
私どもは、安全で高い治療効果が得られる治療を提供すべく、以下の代表的な病気の手術治療に重点をおいて診療をおこなっています。
病院あげてのチーム医療により、安全で高水準の治療を提供します
安全性と高い治療効果を両立した治療には、チーム医療がキーポイントとなります。患者さんごとに最適な治療方針の検討、初診から入院中、退院後の定期的な検診にわたるトータルケア、万一の転倒による骨折や急変時にもすみやかに対応できる診療体制には、医師個人だけの力では限界があります。当院では各領域に複数の専門医師がおり、チーム医療によりすべての要請にこたえる体制を整えています。 合併症やご高齢などで手術治療に注意が必要な患者さんにも、例えば心臓疾患を有する場合は心臓内科、関節リウマチや喘息を有する場合は免疫リウマチ科、人工透析を行っている場合は腎臓内科など、総合病院の強みを活かして各診療科と連携し、安全性を確認しながら高度な治療を行うことが可能となっています。
コンピュータナビゲーション手術、MIS(低侵襲性手術)など先進的な治療技術を積極的にとりこみ、高い治療効果をあげるようとりくんでいます。
主な病気と治療
関節外科
股関節・膝関節・足関節などの代表的な病気である「変形性関節症」、「大腿骨頭・膝関節の骨壊死症」、「関節リウマチ」、「軟骨下不全骨折」などに対し、主に人工関節置換術による治療をおこなっています。
人工股関節では、手術前にCTを撮影し、患者さんにとって最適なインプラントの種類やインプラント固定する位置の3次元の手術計画を立てます。手術中は、ナビゲーション装置を使用して手術計画に沿った正確な手術をおこなうことにより、脱臼などの合併症を防止し、人工関節の長持ちに役立てています。皮膚や筋肉をメスで切開する長さを短くしても(低侵襲性手術、MIS手術)、ナビゲーション手術を使用することにより、正確な手術は維持されます。
人工膝関節でも、手術前にCTを撮影し3次元の手術計画を立て、手術中はポータブルナビゲーション装置を使用して正確な手術に努めています。患者さんの病状や骨の質に応じて、関節面全体を置換する人工膝関節全置換術と内側や外側などの限定的な人工膝単顆置換術を使い分けています。
手術後は翌日から車いすに移乗を開始し、2~3日目から歩行訓練、5日で入浴を許可しています。入院期間は片側手術で2~3週間です。両側の股関節や膝関節に手術が必要な患者さんには、全身状態などが安定していれば同日に両側の人工股関節、人工膝関節手術も行っています。
→詳しくは 人工関節センター ホームページをご覧ください。
人工関節手術以外にも、臼蓋形成不全症や早期の変形性股関節症に対して、人工関節に入れ替えることなくご自身の股関節を保ちながら治療する寛骨臼骨切り手術もおこなっております。外反母趾、変形性足関節症、リウマチ足変形など足部の手術治療もおこなっております。
脊椎外科
頚椎では「頚椎椎間板ヘルニア」「頚椎症性脊髄症・神経根症」「靱帯骨化症」などに対して頚椎椎弓形成術、頚椎除圧固定術を行っています。慢性関節リウマチに伴う頚椎病変に対する手術療法は免疫リウマチ科と協力して行っています。
腰椎では「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎分離すべり症」「腰椎変性すべり症」などの変性疾患に対し、髄核摘出術、腰椎椎弓切除術、腰椎の不安定性を伴う場合はチタンスクリューなどを用いての腰椎後方進入椎体間固定術、腰椎後側方固定術、腰椎前方除圧固定術を行っています。スクリュー使用に際しては、2016年よりナビゲーションを導入しより正確な設置を目指しています。「脊髄腫瘍」は脳神経外科と連携して手術を施行しています。
→詳しくは 脊椎外科クリニック ホームページをご覧ください。
手の外科・外傷
骨折をはじめ、腱、靱帯、神経損傷などの外傷疾患の治療を行っております。また、偽関節や変形治癒などの四肢外傷後の合併症に対してもマイクロサージャリーなどの先進医療を駆使した治療を施行しております。手や肘の疾患に対しては、外傷のみならず手根管症候群や肘部管症候群などの神経障害や腱鞘炎などの疾患に対しても治療を行っております。親切で丁寧、わかりやすい対応・説明を心がけて診療させていただきますのでどうぞお気軽にご相談下さい。
→詳しくは 四肢外傷センター ホームページをご参照ください。
*「骨・軟部腫瘍外科」「小児整形外科」「膝スポーツ関節鏡外科」の専門医は在籍しませんので、専門的な診断・治療が必要な症例は関連する医療機関へ紹介しています。
主要検査
単純レントゲン、MRI、CT、PET、骨・腫瘍シンチ、関節造影、脊髄造影、椎間板造影、神経根造影など行っています。
診療実績
2022年1月から12月の手術件数は1,119件でした。
手術症例の内訳を以下に示します。
スタッフ
写真 | 職名 | 医師名 | 専門分野 | 学会認定など |
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主任 部長 |
栗山 幸治 |
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部長 四肢外 傷治療 センター長 |
藤原 達司 (ふじわら たつじ) |
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副部長 | 野村 幸嗣 (のむら こうじ) |
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医長 | 清水 孝典 (しみず たかのり) |
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診療 主任 |
前中 貴博 (まえなか たかひろ) |
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医員 |
綿谷 俊介 |
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医員 |
鈴木 貴博 |
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医員 |
三谷 晃平 |
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医員 | 秋田 峻吾 (あきた しゅんご) |
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医員 | 酒巻 洸輔 (さかまき こうすけ) |
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診療科からのお知らせ
1)受診を希望される患者さんへ
患者さんの待ち時間を短縮し、適切な診療を行うために、外来は原則として「予約制」としております(救急診療を除きます)。 お近くの診療所から当センターの地域医療連携室を通じて、診療予約をおとりいただいての受診をお願い申し上げます。
2)医療施設の先生方へ
当科では、股関節・膝関節・足関節の関節疾患、脊椎疾患、四肢外傷・手の外科疾患の手術治療を中心に診療をおこなっております。診断や治療にお困りの症例も含め、該当する症例がおられましたら、ご紹介のほどお願い申し上げます。手術治療終了後は、定期的検診を除いて紹介元の施設にもどって通院していただくなど、患者さんが地域に密着して診療を受けやすいよう病診連携を綿密に推進していきたいと考えております。
「骨・軟部腫瘍外科」「小児整形外科」「膝スポーツ関節鏡外科」の専門医は在籍しませんので、専門的な診断・治療が必要な症例は専門的な医療機関へのご紹介をお願いいたします。
3)医学部学生、初期研修医、後期研修医(レジデント)の先生方へ
当科は、日本整形外科学会の教育研修施設の認定を受けており、整形外科の主要な診療領域である関節外科、脊椎外科、四肢外傷・手の外科について、多くの症例の診断から各種手術治療、コンピュータナビゲーションなどの先進的治療まで専門的に研修することができます。当センターの救急診療部・ER部とも連携することで、高度な救急・外傷症例も共同して研修することができます。また、当科では、学会発表・論文発表、外部施設の研修出張など、学術的な素養の形成と診療・手術技術・新しいコンセプトのとりこみを積極的に推奨しております。
当科での研修に興味をお持ちの学生・先生は、経歴を問いませんので、是非ご連絡ください。