麻酔科(中央手術室)
特色
日本麻酔科学会認定の麻酔科指導医の指導監督の下に、安全で、かつ苦痛や身体への悪影響の少ない手術と、速やかな術後の回復のために、16名の常時勤務する麻酔科医の全員で力を注いでいます。患者様の安全・安心の大きな柱として、手術前の全身状態の評価と麻酔計画の策定、手術中の全身麻酔や硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔(脊麻)の実施、術後の硬膜外鎮痛などの疼痛治療、ICU(集中治療室)における集中治療を含む周術期管理を一貫して実施します。緊急手術の麻酔にも常時迅速に対応するようにしています。
主要疾患
手術治療を必要とするすべての疾患に対応し、手術や処置の際の全身麻酔や区域麻酔(脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔など)を実施しています。
ICUにおいては、外科系疾患の術後管理のみならず内科系疾患の集中治療にも対応し、また、心肺蘇生システムの構成診療科として、院内で発生する心肺停止に対する二次救命処置の要請に昼夜応じています。
なお、現時点では、難治性疼痛の外来診療(ペインクリニック)はしておりません。
難治性疼痛に対して神経ブロック等の処置が必要と判断された患者さんには、大阪大学医学部附属病院 麻酔科 ペインクリニックにご紹介します。
主要検査
手術中の患者様の心電図・血圧・体温などを連続的に監視する生体情報モニタリングシステムを中心に、呼吸ガスの組成や濃度を測定するガスモニタ、麻酔薬の作用を確認する麻酔深度モニターや筋弛緩モニター、パルスオキシメータなどの機器を駆使し、また、臨床検査部の緊急検査部門と連携して、呼吸・循環・肝・腎・神経筋などの臓器機能を把握しています。なお、手術中の生体情報モニタリングには、日本麻酔科学会の「安全な麻酔のためのモニター指針」を遵守して、手術をうける患者様の安全を確保しております。
診療実績
2022年は大規模システム障害の影響で麻酔管理症例は減少し、4,884件でした(2021年5,225件)。内訳を図と表に示します。全身麻酔は3,645件で、そのうち 218件に、硬膜外麻酔などの区域麻酔を併用し、術後の疼痛を抑制しました。腹腔鏡手術が増加したため硬膜外麻酔併用全身麻酔は減少しています。抗凝固療法や抗血小板療法中など硬膜外麻酔が併用しがたい症例には、鎮痛薬の静脈内持続注入も実施しています。脊髄くも膜下麻酔(脊麻)335件のうち硬膜外麻酔を併用症例は2件にとどまりました。86歳以上の高齢者は320人でした。麻酔用の超短時間作用性鎮痛薬であるレミフェンタニルや、非脱分極性筋弛緩薬のロクロニウム、筋弛緩薬の拮抗薬としてスガマデックスなど、より効果的で安全な薬剤を導入し麻酔深度調節が容易になり覚醒までの時間も短縮しました。(図1)(図2)(表)
図1.手術部位別麻酔件数(2022年)
学会認定
- 日本麻酔科学会麻酔科認定病院
- 日本集中治療医学会認定集中治療専門医研修施設
- 日本呼吸療法学会専門医認定施設
- 心臓血管麻酔専門医認定施設
スタッフ
職名 | 医師名 | 専門分野 | 学会認定など |
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主任 部長 |
平尾 収 ひらお おさむ |
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副部長 | 山下 健次 やました けんじ |
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副部長 | 東名 里恵 とうみょう りえ |
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副部長 | 田中 成和 たなか しげかず |
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医長 | 福並 靖崇 ふくなみ やすたか |
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医長 | 寺島 弘康 てらしま ひろやす |
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医長 | 丸山 直子 まるやま なおこ |
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診療 主任 |
八木 拓也 やぎ たくや |
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診療 主任 |
松村 佳織 まつむら かおり |
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診療 主任 |
和田 沙江子 わだ さえこ |
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医員 | 堺 奈生美 さかい なおみ |
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医員 | 安倍 瑞穂 あべ みずほ |
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医員 | 橋口 桜子 はしぐち さくらこ |
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医員 | 樋口 毅 ひぐち たけし |
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レジデント |
太田 勇気 |
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安心安全で痛みのない麻酔を目指します。 |
診療科からのお知らせ
麻酔をうける患者様のための術前麻酔科外来診察を、毎日終日おこなっております。日本麻酔科学会認定の麻酔科医が、患者様に適した麻酔の計画をたて、ご説明申し上げます。この診察は、手術を実施する診療科を通しての予約制になっています。ふだんお飲みになる薬があれば、麻酔や手術に影響する場合がありますので、「お薬手帳」などのお薬の一覧を、診察の際にご持参ください。また、喫煙は麻酔や手術の経過に悪影響をおよぼします。手術前4週間以上の禁煙にぜひご協力ください。
リンク先
リンク名称 | URL |
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大阪大学大学院麻酔・集中治療医学 | http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/anes/www/home.htm |