心臓内科
心臓血管センター 独自ホームページを作成しました
心臓内科のより詳しい情報を心臓血管センター独自ホームページにて公開中です。
特色
2007年4月よりCCU(Cardiac Care Unit)が救命救急センター心臓部門として改編・増床(6床)され、同年10月より心臓血管センター開設いたしました。2013年4月には心臓カテーテル専用室を一新・増設(計2室)し、急性冠症候群・急性心不全・致死性不整脈などの心臓救急疾患に対してより多くの患者さんを受け入れることができる体制が整っています。急性心不全患者に対しては血行動態的な治療に加え、心臓カテーテル検査・心筋シンチ・心臓MRI・心筋生検などを行い、基礎心疾患に基づいた最適の治療法を選択しています。慢性心不全患者に対してはresearch nurseの協力を得ながら心不全専門外来を設け、きめの細かい診療を行っています。不整脈の分野においては、心臓血管センター開設以後、最新のマッピングシステムやアブレーションシステムを導入し複雑な不整脈の治療も可能になっております。また、2014年10月には心臓内科・心臓血管外科・麻酔科等からなるHeart Teamとして経皮的大動脈弁置換術(TAVI)を導入し(関西で6施設目)、さらに2019年1月より手術リスクの高い重症僧帽弁閉鎖不全に対しての経皮的僧帽弁形成術を施行しております。また、心原性脳梗塞予防のための左心耳閉鎖デバイス(WATCHMAN)や卵円孔開存閉鎖デバイス(Amplatzer)留置術を開始いたしました。当科では今後益々侵襲的、非侵襲的を問わず最先端の診療を行う予定です。さらにそれらの成果は、毎年国内はもとより海外の学会に情報発信しております。
主要疾患
虚血性心疾患(急性冠症候群、心筋梗塞、狭心症)、心筋症、心臓弁膜症、不整脈、肺塞栓、下肢閉塞性動脈疾患、その他の 一般循環器疾患
主要検査
心臓カテーテル検査、血管造影検査、電気生理学的検査、心筋生検法などの観血的検査、運動負荷検査、体表面心電図、ホルター心電図、四肢同時血圧測定、心肺機能検査、心臓超音波検査、心臓アイソトープ検査、心臓CT・MRI検査などの非観血的検査
診療実績
2024年の主要疾患件数(入院患者)、検査件数、治療件数を図1、表1〜3に示します。2024年の年間入院患者数は2,510人(緊急839人)で、その内訳は虚血性心疾患790人(急性冠症候群141人:そのうち急性心筋梗塞は110人)、不整脈696人、心筋・心膜疾患287人、下肢閉塞性動脈疾患247人、弁膜症167人、心不全377人、肺塞栓18人でした(図1)。コロナ感染症およびシステム障害の影響のため減少していた年間入院患者数はコロナ禍前に回復しつつあり、特に緊急入院患者は過去最多になっております。引き続き断らない循環器救急を目指しております。
図1.年間入院患者の疾患内訳(2024年)

(1)心臓カテーテル検査・治療
2024年の心臓カテーテル検査の年間件数は2,198(緊急283)例で、PCI(経皮的冠動脈形成術)件数は(緊急158)例でした。動脈硬化が進行すると、血管にカルシウムが沈着する高度石灰化を伴うことがあります。このような病変はステント治療やバルーンでは十分な血管の拡張が得られません。従来は、高速回転アテレクトミー(ドリルで削る治療)を行っていましたが、血管損傷、末梢塞栓といった合併症が問題となっておりました。最近導入したIVLはバルーンから衝撃波を発し、血管の中から石灰化に亀裂、割れ目を作ることができるユニークなデバイスです。このように冠動脈疾患に対して治療の幅が広がっており、当科ではチームで情報を共有しながら治療法の選択を行っております。また、下肢閉塞性動脈疾患に対する血管内治療も積極的に行っており、263件施行しています。下肢動脈の分野でも高度石灰化病変が問題となっております。そこで新たに2023年から高速回転アテレクトミーを導入しており、今後の血管内治療の成績向上が期待されます。
(2)不整脈検査・治療
2024年は不整脈に対するアブレーション治療を523例に施行しました。最近ではアブレーションのほとんどの不整脈は心房細動(2024年は421例(全体の81%))2018年度に超高解度3次元マッピングシステム(Rhythmia)を導入しており、今後益々難治性不整脈症例に対するアブレーション実施数が増えていくと思われます。また、当センターで導入したパルスフィールドアブレーションは、従来治療と比較し、有効性は同等であるものの、安全性と手技時間の短縮が期待されています。2024年10月に導入し間もないですが、すでに82例行っており、その有効性・安全性を実感しております。徐脈性不整脈に対しては人工ペースメーカー植え込み術198例(電池交換含む)、頻脈性致死性不整脈に対して植え込み型除細動器(ICD)植え込み術16例(このうち皮下型S-ICDは6例)、心不全に対して両心室ペーシング(CRT)植え込み術20例(除細動機能付きは5例)施行しています。さらにエキシマレーザーを用いたリード抜去術を2017年より開始し2024年は3例施行しております。
(3)構造的心疾患の治療
心臓の構造的異常、弁膜の異常に対し、カテーテルを用いた新しい低侵襲の治療に取り組んでおります。2014年10月に心臓血管外科・心臓内科・麻酔科等からなるHeart Teamを立ち上げ、経皮的大動脈弁置換術(TAVI)を導入し(関西で6施設目)、2024年は63例に施行しており、経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会認定施設となっております。さらに2019年1月より手術リスクの高い重症僧帽弁閉鎖不全に対しての経皮的僧帽弁形成術(M-TEER)を導入し、2024年は51例施行しております。また、心原性脳梗塞予防のための左心耳閉鎖デバイス(WATCHMAN)や卵円孔開存閉鎖デバイス(Amplatzer)留置術を開始いたしました。技術の進歩に伴い、今後さらなる発展が期待される分野です。
(4)非観血的検査部門
2024年の心臓超音波検査は9,169例(経食道エコー検査631例)、ホルター心電図検査は843例、心臓アイソトープ検査は1,043例に行っています。心臓CT件数は1,600例でした。構造的心疾患に対してTAVI、M-TEERを行っており、必要な患者さんに治療を届けるために、運動負荷心臓超音波を行いチームで情報を共有しながら治療法の選択を行っております。また、不整脈発作を症状時に検出し記録可能な携帯型心電計を導入し、24時間ホルター心電図では検出困難であった不整脈発作の検出に役立てています。

学会認定
日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
日本心血管インターベンション学会研修施設
日本不整脈学会専門医研修施設
植え込み型除細動器移植・交換術
両室ペースメーカー移植術認定施設
スタッフ
| 写真 | 職名 | 医師名 | 専門分野 | 学会認定など |
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顧問 | 福並 正剛 (ふくなみ まさたけ) |
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副院長 心臓血管 センター長 |
山田 貴久 (やまだ たかひさ) |
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主任部長 | 浅井 光俊 (あさい みつとし) |
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部長
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森田 孝 (もりた たかし) |
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副部長 CCU室長 |
川﨑 真佐登 (かわさき まさと) |
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副部長 | 菊池 篤志 (きくち あつし) |
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副部長 | 近藤 匠巳 (こんどう たくみ) |
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医長 | 河合 努 (かわい つとむ) |
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医長 | 瀨尾 昌裕 (せお まさひろ) |
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診療主任 | 中村 淳 (なかむら じゅん) |
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診療主任 |
藤田 岳史 |
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レジデント |
國分 祐樹 |
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レジデント | 古田 雄三 (ふるた ゆうぞう) |
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レジデント |
吉田 基志 |
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レジデント |
八木 涼太 |
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レジデント |
阪井 克祥 |
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レジデント |
内藤 進 |
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レジデント |
栗原 光 |
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診療科からのお知らせ
当科(心臓血管センター)では“循環器疾患の高度専門医療を安全に提供する”を信念として診療をしております。さらに循環器専門医研修施設・心血管インターベンション学会研修施設・不整脈学会研修施設として認定され、また、植え込み型除細動器移植術、交換術、両室ペースメーカー移植術の認定施設としても登録されています。2014年、不整脈科の開設以後、不整脈(心房細動含む)外来(火・水・木曜日)・心房細動外来(金曜日午前)を設け、心房細動・その他の不整脈に対するアブレーションを含めた診療を積極的に行っています。また、弁膜症に対しては、2015年4月より経皮的大動脈弁置換術(TAVI)外来を心臓外科と協力して毎日設けており、手術ハイリスクの重症大動脈弁狭窄症患者にTAVI診療を行っています。2017年4月には弁膜症外来を設け(水曜日)、重症僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症一般も診療しております。下肢末梢動脈疾患に対しても、2022年6月より下肢救済外来(水曜日午後)を開設しました。心臓血管外科、皮膚科、形成外科、看護師、理学療法士と協力し、血行再建のみならず創傷の管理等、包括的な診療をチームで行っております。あらゆる循環器疾患に対し、センター内で様々な職種との連携を図っていますが、当然ながら地域医療との連携も重要で、密なる情報の共有を心掛けております。
リンク先
| リンク名称 | URL |
|---|---|
| 心臓血管センターfacebook | http://facebook.com/opho.cvs |

















