大阪府災害医療コントロールセンター(ODCC)
大阪府災害医療コントロールセンターとは
本コントロールセンターは、大阪府の地域医療再生基金事業(救急・災害医療)の一つである地域医療情報基盤整備事業として「大阪府の基幹災害拠点病院である当センターに、必要な情報を一元的に集約し判断につなげるための災害医療コントロールセンターを整備すること」という考えの基に大阪府の予算で整備されました。
第一のミッションは東日本大震災のような広域災害発生時に、府域にある災害拠点病院の被災状況や患者受入能力を迅速に把握し、患者の受入れや搬送調整、DMAT活動の指揮を行うことです。第二のミッションは交通事故や労働災害等による多数傷病者発生事案である局所災害発生時に、災害医療に必要な情報収集、集約、発信を行う事です。
特に第一のミッションである広域災害時は、被災による傷病者の発生に伴い医療や救急搬送の需要が増加する一方、医療機関においては、建物の損壊や停電等により医療の供給が滞るといった事態も想定され、「受入れ病院の選定や搬送手段の確保」、「傷病者・入院患者の転院調整」等に関し、適切な判断と正確な指示が求められます。
これらを行うためには「災害拠点病院の拠点化」「周辺病院の被災状況の把握」「搬送体制の確立の促進」などを目的とした情報集約が重要となるため、現在「広域災害・救急医療情報システム(EMIS)」という情報収集ツールが整備されています。本コントロールセンターでは通常の携帯電話回線、インターネット回線が不通でも、衛星電話通信回線、防災無線回線などを利用して一括して情報集約が可能です。
このように一元的に情報を集約して判断するためには、通信機器や情報端末などのハードはもちろんの事それを使いこなすためのソフトである「ヒト」が必要です。当センターの30余名のDMAT隊員に加え大阪府の拠点病院のDMAT隊員が集まりこれまでに実践的な訓練が行われています。広域災害に備えるための大阪府の災害医療の力を結集する場所として期待されています。
訓練の様子