心臓血管センター
科の特色
平成19年4月よりCCU2床の増床を契機に心臓血管センターを開設いたしました。超急性期から回復期まで一貫した治療を提供できる大阪市南地域の中核病院として、専門性の高い包括的診療を府民の皆様に提供してまいります。
心臓血管センターはCCU・ICU・心臓内科・心臓血管外科・麻酔科・リハビリテーション科・画像診断科などの各診療科・部門が連携し、超急性期から回復期まで包括的に心臓血管疾患の治療を行っています。超急性期においては、循環器専門医が24時間待機し、患者の受け入れや専門的治療にあたり、CCUやICUで専門スタッフが治療・看護・急性期リハビリテーションを行います。
急性心筋梗塞・不安定狭心症などの急性冠症候群に対しては24時間体制で冠動脈形成術(PCI)等を含む再灌流療法・血行再建術を施行しています。急性心筋梗塞の重篤な合併症(心破裂・乳頭筋断裂による重症心不全)に対しては緊急手術も行えます。急性心不全に対しても経皮的心肺補助装置(PCPS)を要する重症のものまで対応することが可能です。解離性大動脈瘤・大動脈瘤破裂に対しては緊急手術からステントグラフトを用いた低侵襲治療も行っています。
CCU・ICUを退室した後は心臓血管系専門病棟で治療を継続します。さらにリハビリテーションが必要な患者は、回復期リハビリテーション病棟で自宅退院を目標にリハビリを行い、病棟スタッフ・リハビリスタッフ・ソーシャルワーカーが、退院に向けての自宅環境整備や介護サービスの準備を支援します。
主要疾患
- 急性心筋梗塞・不安定狭心症を含む急性冠症候群
- 急性心不全
- 急性肺塞栓症
- 致死性不整脈
- 弁膜症
- 急性大動脈解離
- 胸腹部大動脈瘤(破裂性を含む)
- 閉塞性動脈硬化症
- 急性下肢動脈血栓症など
主要検査(特殊検査)
- (1)経胸壁心エコー、経食道心エコー、頚動脈エコー、末梢動脈エコー
- (2)MDCT、3DCTA
- (3)MRA、MIRI
- (4)心血管造影
- (5)各種心筋シンチ
- (6)特殊心電図(体表面・ホルターを含む)
- (7)電気生理学的検査
診療実績
平成19年に心臓血管センターが開設された後、CCUに入室した心臓血管系疾患緊急入院患者数は年々増加しております(図1)。平成22年にCCUに入室した患者数はCCU383人(急性心不全156人、急性冠症候群130人、重症不整脈44人、その他53人)でした(図2)。CCU入室患者の平均年齢、性別(男性割合)、平均在室日数は72±13(18~97)才、64%、5.2±6.7(1~71)日、死亡率は2.1%でした。一方、ICUに入室した心臓血管系疾患緊急入院患者数は38人(急性大動脈解離8人、大動脈瘤切迫破裂7人、急性冠症候群3人、急性下肢動脈閉塞3人、感染性心内膜炎4、その他12人)でした(図3)。ICU入室患者の平均年齢、性別(男性割合)、平均在室日数は各々72±12(37~86)才、69%、7.0±8.5(1~46)日であり、死亡率は5.2%でした。
当センターは、心筋梗塞・狭心症などの虚血性心疾患は当然のこと、重症心不全、重症不整脈、重症大血管疾患に至るまで、あらゆる循環器疾患に対して実績を残してまいりました。
(1)急性心筋梗塞に対しては積極的に冠動脈形成術(PCI)を施行し、大動脈内バルーンパンピング(IABP)・経皮的心肺補助装置(PCPS)などの補助循環装置を導入しております。当センターでは院外心肺停止を合併する重症の急性心筋梗塞症例が多いのが特徴ですが、それを除いた死亡率は大阪の他の循環器専門施設よりも有意に低く、救命率が高いことが実証されています(図4)。さらに、慢性完全閉塞病変を含む複雑なPCI、PPI(末梢血管形成術)も積極的に行っています。また、その際、造影剤腎症を最小限にする治療法も開発しております。
(2)慢性心不全患者における薬物療法の一つであるβブロッカー療法を日本で最初に導入し、現在まで慢性心不全に対する病態把握・新しい戦略についての多くの知見を得ています。さらにPCPS・IABPなどの補助循環で改善しない重症心不全において左室形成術も行っています。
(3)高周波カテーテルアブレーションの専門医を複数名有し、最新の不整脈の立体画像診断・治療支援機器である「CARTO Xp(平成23年4月からは最新型の「CARTO3」を導入)」を用いて複雑な不整脈の根治治療に挑戦しています(図5)。さらに平成23年4月より心房細動外来(木曜日午後)を設けて、心房細動に対するアブレーションを含めた診療を積極的に行っています。
(4)重症心不全の再同期療法(CRT)や突然死予防の植え込み型除細動器(ICD)の認定施設となっています(植え込み実績に関しては心臓内科ホームページをご参照ください)。
(5)閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)を積極的に行っています。
(6)大動脈瘤に対するステントグラフト治療を積極的に行っています(日本での第一例目を1993年に施行)(図6)。
図1 CCU入室患者疾患の内訳(平成22年)
図2 CCU入室患者疾患の内訳(平成22年)
| 急性心不全 | 急性冠症候群 | 重症不整脈 | その他 |
| 156 | 130 | 44 | 53 |
図3 ICU緊急入室患者疾患の内訳(平成22年)
| 急性大動 脈解離 |
大動脈瘤 切迫破裂 |
急性冠 症候群 |
急性下肢動脈 血栓塞栓症 |
感染性 心内膜炎 |
その他 |
| 8 | 7 |
3 |
3 |
4 | 12 |
図4 過去10年間(’98~’07)の急性心筋梗塞(AMI)の院内死亡率/来院時心肺停止(CPA)症例率:他施設
との比較
学会認定
スタッフ
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診療科からのお知らせ
当センターは地域の医院・診療所と連携を取りながら患者のフォローを行っています。退院後はホームドクターと一緒に、高血圧・糖尿病などの基礎疾患治療は勿論のこと、心筋梗塞再発予防・心不全再入院予防治療を継続します。さらに平成23年4月より心房細動外来(木曜日午後)を設けて、心房細動に対するアブレーションを含めた診療を積極的に行っています。


