内科・呼吸器内科

contents

特色

 内科は、歴史的に一つの総合内科でありましたが、消化器代謝内科、免疫リウマチ科、神経内科、腎臓内科、心臓内科の5つの内科が独立することによって、主に肺がんや肺炎を中心とした呼吸器疾患を診療する内科・呼吸器内科に変貌を遂げてきました。
 現在大阪府のがん診療拠点病院として、肺がんの標準的治療の確立に向けて臨床研究を行う一方、癌告知の問題や緩和ケアにも積極的に取り組み、QOL最優先のオーダーメイド医療を推進し、病診連携を重視する診療活動を行っています。

主要疾患

  1. 肺がん

    初診患者は内科・呼吸器内科が気管支鏡検査を中心とした診断・病期決定を行った後、外科、内科、放射線治療科が共同で集学的治療を行っています。更に総合医療センターとしての利点を生かして、腎不全や精神科疾患合併の肺がん患者の化学療法、骨や脳転移合併患者の集学的治療やoncologic emergency等に対応可能である一方、PET検査やガンマナイフ、重粒子線治療等、他施設と連携した診断・治療も経験豊富です。
     病床数は44床で呼吸器外科および放射線治療科と同じ8階西病棟にあり、キャンサーボード(合同カンファランス)を週1回行って、密接に連携した肺がん診療を行っています。
     2010年の呼吸器内科入院患者は肺がんおよび転移性肺がん合わせて482名で、検査目的の入院は73名でした。原発性肺がん患者は409名を占め、初回治療目的の入院患者が141名、再入院患者は268名でした。
     2010年は放射線治療装置のリニューアルと呼吸器外科医の一時欠員があり、他施設へ多くの肺がん患者の治療をお願いする事態となりましたが、放射線治療は単独治療12名、化学・放射線療法として13名、転移巣に放射線照射しながら化学療法を施行した患者7名を合わせて32名に上りました。呼吸器外科へも術後アジュバント化学療法を含め18名の紹介となりました。
     初回化学療法患者は41名で、放射線や手術と組み合わせた化学療法を施行した22名を加えると、63名に上りました。更に初回に分子標的治療を行った患者も18名あり、合わせて81名、約6割を投薬で治療したことになります。一方Best Supportive Care(BSC)のみの緩和ケア患者は30名を数えましたが、多くは骨転移や脳転移等に対する姑息的照射が加えられました。
     初回治療患者139名のうち腺がん59名(41.8%)、扁平上皮がん48名(34%)、大細胞神経内分泌がん4名(2.8%)、小細胞がん16名(11.3%)で、腺がんの増加傾向が続いています。


     図1 呼吸器内科初回入院139名の肺がん組織型(2010年)
     図1 
    図2 肺がん患者139名の初回治療の内訳(2010年)

    図2

  2. 肺炎などの呼吸器感染症

                                                
     呼吸器感染症は、感染症微生物検査室の迅速性を生かして、一般市中肺炎から肺真菌症、ニューモシスチス肺炎、肺アメーバ症など広範囲な病原微生物に対応しています。2010年の肺がん以外の患者300名のうち100名(33.3%)を肺炎患者が占めました。
     肺結核は基本的には外来の時点で診断し、結核専門病院へ紹介していますが、時に鑑別困難で入院となった場合も呼吸器内科が中心となって診療しています。


    図3 呼吸器疾患300名の内訳(肺がん以外:2010年)
     図3

  3. 呼吸不全

    特発性間質性肺炎などの慢性呼吸不全やCOPD、陳旧性肺結核などの高炭酸ガス血症を伴うII型呼吸不全に対しては、酸素療法(HOT)や非侵襲的陽圧換気(NIPPV)の導入をクリニカルパスを用いて積極的に行っています。ARDSなどの急性呼吸不全は救命救急センターあるいはICUで集中治療されますが、呼吸器病棟でも一部可能で、毎年20名前後のレスピレーター管理を行っています。
     2010年度は通常の人工呼吸器を使用した患者は16名、非侵襲的換気療法を行った患者は31名で、計47名の呼吸管理が行われました。
    呼吸不全の基礎疾患であるCOPDと特発性肺線維症に関しては、患者さんにわかりやすいパンフレットを用意して説明を行う一方、臨床治験や禁煙活動と幅広い診療を展開しています。
     その他、気胸や胸膜炎などの疾患に対して胸腔ドレナージは52名に施行されました。びまん性肺疾患や膿胸、悪性胸膜中皮腫や縦隔腫瘍なども呼吸器外科との共同診療が必要な場合が多く、8階西病棟に呼吸器外科・内科が集結している意義は大きいです。

    このページの先頭にもどる

主要検査

 1)気管支鏡検査
 2)超音波気管支鏡によるリンパ節生検(EBUS-TBNA)
 3)胸腔穿刺
 2010年の気管支鏡検査・治療は326件と大幅に件数が増加しました。主に入院の上(1泊2日)、X線透視装置の完備した透視室で行っていますが、肺結核が疑われる場合や安全に施行できると思われる患者さんは外来でも施行可能です。また2006年より2.8mmの極細径ファイバーの導入を始め、患者さんに優しい気管支鏡検査を推進しています。さらに2010年10月からは超音波気管支鏡を用いて縦隔・肺門リンパ節生検(EBUS-TBNA)を開始しています。

このページの先頭にもどる

診療実績

 2002年から癌化学療法の短期入院治療やクリニカルパス導入で平均在院日数の短縮化が強力に推し進められた結果、2009年より在院のべ日数は20日を下回っています。
 2007年からは外来化学療法室12床がオープンし、入院治療より外来治療へ徐々にシフトさせ100%以上の病床稼働率の緩和を図りましたが、呼吸器内科への入院患者数は依然として増加傾向にあります。
 限局型小細胞肺がんに対しては、多分割照射法で放射線療法と化学療法(CDDP+VP-16)の同時併用を行っています。進展型小細胞肺がんは、CDDP+CPT-11などの化学療法を行い治療成績の向上が得られています。非小細胞肺がんに関しては、基本的にI・II・IIIA期は手術でIIIB・IV期には新規抗がん剤を中心とした化学療法や分子標的治療および放射線療法で対応しています。
 最近は患者に優しい医療が進歩してきている一方、個別化医療が積極的に行われるようになっています。特にイレッサやタルセバなどの分子標的薬は、一部の患者に対して劇的にQOLを改善し延命効果をもたらすことが明らかになってきており、当科でも初回治療より使用する患者が増加しています。
 また、2009年からアリムタやアバスチンといった新しい薬剤が次々と標準治療に組み込まれて、肺がん治療は激動の時代を迎えています。

 

このページの先頭にもどる

学会認定

 当センターは日本内科学会認定医制度における教育病院(http://www.naika.or.jp/)に認定されており、当センターで3年間(初期研修2年+レジデント1年)の研修を積めば「認定内科医」資格認定試験を受験することが可能です。その際内科疾患21症例と外科転科症例3例、剖検症例3例を経験する必要がありますが、内科・呼吸器内科で後期研修を1年積めば十分条件を満たすことができます。その後3年間の内科研修歴が加わると「認定内科専門医」取得が可能となります。当科は日本呼吸器学会の認定施設(http://www.jrs.or.jp/)でもあり、認定内科医を取得後3年間の研修を行えば「呼吸器学会専門医」を取得できます。加えて年間300例以上の気管支鏡症例を有する日本呼吸器内視鏡学会の認定施設(http://www.jsre.org/)でもあることから、会員歴5年あれば100例以上の診療実績は簡単に得られて、「呼吸器内視鏡専門医」を取得できます。また日本臨床腫瘍学会の暫定指導医を擁して、日本臨床腫瘍学会認定研修施設(http://jsmo.umin.jp/)に認定されており、Medical Oncologist(がん薬物療法専門医)の資格を取得することも可能です。


日本内科学認定教育病院(http://www.naika.or.jp/
日本呼吸器学会認定施設(http://www.jrs.or.jp/
日本呼吸器内視鏡学会認定施設(http://www.jsre.org/
日本臨床腫瘍学会認定研修施設(http://jsmo.umin.jp/
 

このページの先頭にもどる

スタッフ

写真職名医師名専門分野学会認定など
[谷尾 吉郎]
医務局長
主任部長
谷尾 吉郎
(たにお よしろう)
  • 呼吸器内科
  • 腫瘍内科学
  • 肺癌
  • 日本内科学会認定医
  • 日本呼吸器学会専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会指導医・評議員
  • 日本肺癌学会評議員
  • 日本臨床腫瘍学会暫定指導医
  • 大阪大学医学部臨床教授
  • 身障者認定医
もとねまさはる
診療主任 元根 正晴
(もとね まさはる)
  • 呼吸器内科学
  • 慢性呼吸不全
  • 肺癌
  • 日本内科学会認定医
  • がん治療認定医
  • ICD認定医
     
 なかにしだいすけ 医員  中西 大亮
(なかにし だいすけ) 
  • 呼吸器内科学
  • 呼吸器感染症
  • 肺癌
     
  • 日本内科学会認定医
  • 身障者認定医 
たかしまじゅんぺい 医員 高島 純平
(たかしま じゅんぺい)
 
  • 呼吸器内科学
  • 急性呼吸不全
  • 肺癌 

 

  • 日本内科学会認定医 
 たがひろし 医員 多河 広史
(たがわ ひろし)
  • 呼吸器内科学
  • 呼吸器免疫学
     
 
 あきやまたいすけ 医員  秋山 太助
(あきやま たいすけ) 
  • 呼吸器内科学
  • 急性呼吸不全
     
 

診療科からのお知らせ

 肺がんは診断から治療開始まで少し時間がかかる疾患ですが、小細胞肺がんのように治療開始が遅れると急速に重症化するタイプや、骨痛や脳神経症状を初発症状として受診される患者さんは放射線治療などが劇的にQOLを上げる場合もありますので、肺がんを疑われたら至急当科へご紹介ください。
 また、西日本がん研究機構WJOG (http://www.wjog.org/)、や日本・多国間臨床試験機構JMTO (http://www.jmto.org/)、あるいは大阪大学肺がん研究グループOULCSGのプロトコールにのった新しい治療法を積極的に行ってますが、いずれの治療においてもすべて、患者さんおよびご家族から文書によるインフォームド・コンセントを得たうえでQOLを重視した医療を心がけています。


* 週間スケジュール
     火曜日:気管支鏡検査(13:00~)、キャンサーボード(肺がん合同カンファ)
     水曜日:回診(15:00~)
     木曜日:臨床セミナー、肺良性疾患カンファ(免疫リウマチ科合同カンファ)
     金曜日:気管支鏡検査(13:00~)

このページの先頭にもどる

患者のみなさまへ(ナビゲーション)