多発性筋炎・皮膚筋炎
多発性筋炎・皮膚筋炎
多発性筋炎・皮膚筋炎は、全身の横紋筋という筋肉に炎症がおこる病気です。横紋筋は、腕、肩、首、腰、足、心臓などにある筋肉です。このため疲れやすくなったり、身体に力が入りにくくなったり、筋肉が痛くなったりすることを基本症状とする病気です。
特徴的な皮膚症状(ゴッドロン徴候やヘリオトロープ疹)を伴う場合には、皮膚筋炎と呼ばれます。女性に多い傾向があり、小児期でも発症しますが、成人期の中高年に多く発症します。
【症状】
1.筋肉の症状
大部分の患者さんで、筋肉が障害されるために、疲れやすくなったり、筋力が低下するために力が入りにくくなったりします。特に、太ももや、上腕、首などの胴体に近い筋肉がおかされやすいので、「しゃがみ立ちできない」、「階段の昇り降りがしにくい」、「歩きにくい」、「入浴しにくい」、「髪がとかしにくい」、「頭を枕から持ちあがりにくい」など、日常生活に支障がでることで気づきます。重症になると、ものが飲み込みにくくなったり、立てなくなったりします。このような症状は、ゆっくりと進行していきます。
2.皮膚の症状
ゴッドロン徴候(手指関節伸側のカサカサした紅斑)やヘリオトロープ疹(上まぶたが腫れて、紫紅色の紅斑)と呼ばれる特徴的な皮膚症状がでます。
ゴッドロン徴候
3.関節の症状
関節痛・関節炎が認められることがあります。しかし、関節リウマチのように関節が変形することはなく、軽症のことが多いと言われています。
4.レイノー現象
冷たい刺激などによって、手指が白くなり、ジンジンしびれる症状です。
5.呼吸器症状
間質性肺炎を合併すると、咳、動くと息切れがする、呼吸が苦しいなどの症状がでます。胸部レントゲン検査、胸部CT検査などで診断されます。
6.心臓の症状
心臓の筋肉が障害されて、不整脈がおきたり、心臓の力が弱まることがあります。
7.全身症状
発熱、全身倦怠感、食欲不振、体重減少などを認めることがあります。
8.悪性腫瘍
悪性腫瘍を合併することがあるため、その検索することも重要です。
【治療法】
主に薬物療法が主体で、副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)が使用され、効果的です。一般に大量ステロイド療法(体重1kgあたりプレドニゾロン換算で1mg/日)が行われ、筋力の回復、検査所見の改善を見ながら数ヶ月かけてゆっくりと、最小必要量(維持量)にまで減量されます。
ステロイドが無効な場合や副作用が著しく出てしまう場合には、免疫抑制薬が一緒に投与されることがあります。
また、最近これらの治療でも効果が得られない場合に、γグロブリンの静脈内注射療法が保険適応に認められました。
専門医から薬の効果と副作用などをよく聴き、充分に理解した上で治療を受けることが大切です。(免疫リウマチ科)


