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患者のみなさまへ

皮膚科

特色 

 当科では、乾癬、難治性皮膚疾患、アレルギー性疾患、感染症などの診断および治療、皮膚腫瘍の生検・切除・病理組織検査を中心に診療を行っています。
乾癬は悪化因子の検索、外用療法、光線療法から生物学的製剤まで全身治療を積極的に行っております。アトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー性疾患については、血液検査やパッチテストなどによる増悪因子の検索を行い、生活指導や外用療法・内服治療を行います。一般にほくろと呼ばれる色素細胞系腫瘍の診断においてはダーモスコピーを用いた診察が非常に有用であり、悪性が疑われる場合などには生検や切除を行います。糖尿病・末梢循環不全による皮膚障害や、副腎皮質ステロイド剤を用いて治療を行う血管炎や自己免疫性水疱症などの疾患に対しては、他科との連携を行い、原疾患のコントロールや薬物の副作用軽減を図りながら治療を行います。その他、重症の蜂窩織炎や帯状疱疹などの感染症の入院治療を行っています。

主要疾患

【アトピー性皮膚炎】
 特徴的な部位に慢性に繰り返す皮膚炎でアレルギーの素因を持つことが多いという特徴を持つ疾患です。増悪因子の除去、スキンケア(清潔、保湿)、主に外用剤を用いた薬物治療などにより疾患のコントロールを行っています。難治例には光線療法や生物学的製剤、JAK阻害剤も使用しております。

【尋常性乾癬】
 赤くかさかさした病変がさまざまな部位の皮膚に出現する疾患で慢性に経過します。かゆみを伴う場合や関節症状を合併する場合などがあります。症状に応じて外用療法、内服療法、光線療法、生物学的製剤などから治療法が選択されます。

【自己免疫性水疱症】
 尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、水疱性類天疱瘡など、皮膚細胞間の接着分子に対する自己抗体の産生により水疱を生ずる疾患です。重症の場合は大量の副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤の投与、場合によってはステロイドパルス療法、大量γグロブリン療法や血漿交換療法などを行います。

【円形脱毛症】
 種々の大きさの脱毛斑が生じる疾患で、毛包に対する自己免疫とする説が有力であり、外用剤による治療が中心になります。自然治癒も多い疾患ですが、難治例には局所免疫療法や光線療法なども有用です。発症から半年以内の重症例にはステロイドパルス療法を行うこともあります。

【帯状疱疹】
 主に神経支配領域に限局した片側性の水疱が多発する疾患です。疼痛を伴うことが多く、皮膚症状が治癒した後も痛みが残る帯状疱疹後神経痛を生じることがあるため、病初期に適切な治療を行うことが必要です。

【皮膚腫瘍】
 良性の場合でも悪性の場合でも、さまざまな色、形、大きさの腫瘍が生じます。いぼ、治りにくい傷、皮下出血と思われていた皮膚病変が腫瘍である可能性もあります。診断には皮膚生検が必要なことがあります。

主要検査

【パッチテスト】
 かぶれ(接触皮膚炎)の原因となる物質を検索するために行います。化粧品、歯科金属、装飾品、皮革、湿布薬などが主な原因です。

【ダーモスコピー】
 特殊な虫眼鏡のような検査機器で、いわゆるほくろ(色素性母斑)とほくろのがん(悪性黒色腫)とを鑑別するのに有用です。その他、微小な皮膚病変の観察などに不可欠です。

皮膚生検
 皮膚腫瘍の良性・悪性の鑑別、水疱症の診断・分類、皮膚症状を持った膠原病・血管炎の診断など、皮膚表面の観察のみでは診断できない場合に欠かせない検査で、病変部を一部あるいは全て切除して病理組織学的に(一部疾患では免疫蛍光抗体法とあわせて)診断を行います。

【超音波検査】
 体表の腫瘍の評価を中心に行っております。特に22MHz超高周波プローブを備えており、1.5cm未満の浅部をクリアに描出できることが可能となり、爪部や小さな腫瘍の診断に有用です。

診療実績

 令和4年の新患は1,555人で、湿疹・皮膚炎群395人、感染症297人、物理的・化学的障害207人、皮膚腫瘍118人、薬疹・中毒疹107人、蕁麻疹・痒疹・そう痒症92人の新患患者様が受診されました(図1)。皮膚生検術は218件施行しています。また光線療法は47人に対し、のべ517回の照射を行いました。

図1 疾患別外来初診患者数
 

疾患別外来初診患者数

湿疹・皮膚炎群

395

感染症 

297
皮膚腫瘍 118
物理的・化学的障害 207
血管炎・紫斑・血行障害

 57

薬疹・中毒疹  107
蕁麻疹・痒疹・掻痒症  92
汗腺・脂腺・毛髪・爪甲疾患  60
母斑  45
紅斑症 22
角化症  51
水疱症・膿疱症  38
膠原病  18
色素異常症  14
肉芽腫症  8
その他 26
合計  1.555

学会認定

日本皮膚科学会認定専門医研修施設

スタッフ

写真職名医師名専門分野学会認定など
おおはたちか 主任
部長

大畑 千佳
(おおはた ちか)

  • 皮膚病理
  • 乾癬
  • 自己免疫性水疱症
  • 日本皮膚科学会専門医
ますだちかこ 診療
主任
益田 知可子
(ますだ ちかこ)
  • 皮膚疾患全般
 
ふじたあつし レジデント 藤田 敦
(ふじた あつし)
  • 皮膚疾患全般

 
なかやまゆか レジデント 中山 優花
(なかやま ゆか)
  • 皮膚科全般

 

診療科からのお知らせ

近隣の医療機関の先生方へ:入院や生検・切除術などが必要な患者さんがおられましたら当科へご紹介お願い申し上げます。病状が安定した段階で紹介元の医療機関へ逆紹介いたします。

当院で皮膚科研修を希望される先生方へ:地域の中核となる病院ですので、幅広い疾患を経験することになります。また、各種検査、皮膚病理についても十分に勉強できる機会を提供しますので、気軽にご相談ください。