人工股関節置換術

人工股関節の耐久性は、10年間ゆるみがなく、日常生活が過ごせる可能性が95%以上あり、長期に安定した手術法です。また、最近術後20-30年経過された方の結果が報告されており、 80%ぐらいの方は変わりなく使用出来ると言われています。長期になると人工関節材料のすり減りが問題になることがありますが、近年の改良によりすり減りが非常に少ない材料が開発されており、 長期耐久性がさらに向上すると思われます。

人工股関節置換術 人工股関節置換術に伴う危険性(合併症)はいずれも頻度の低いものです。その一つは術後感染(病原菌により膿んでしまう事)で、これは人工関節周囲は血流が乏しいなどの理由で、いったん感染を起こしてしまうと非常に治りにくい 性質によります。そのため、当院では感染予防策として、手術室はクリーンルームを使用し、 術者も宇宙服のような特別な手術着を着用して術者から細菌が入らないようにしています。 また予防的な抗生物質の全身投与や骨セメントへの混入などできるだけの事をしております。万が一感染が起こった場合でも、早く発見して処置を行えば治る場合も多いです。 術後に脱臼(関節がぬけてしまうこと)や神経や血管が傷つくことがありますが、これらも手術法の改良により非常に少なくなっています。人工股関節 最近、合併症として注目されていることとして、下肢の静脈内に血のかたまり(血栓)ができる深部静脈血栓症があります。 大きな血栓ができ、それが血液中に流れ出し肺の血管ににつまると、最近飛行機で長時間座っていても起こるので有名になったエコノミークラス症候群(肺塞栓症)をおこします。 これで生命に関わるということはまれですが、予防としては出来るだけ早くから動くことが一番重要で、当院では積極的に早期リハビリに取り組んでいます。

MIS最小侵襲手術についてはこちら
最小侵襲手術
(術後2年)

出血と輸血:人工股関節置換術は骨をさわる手術なので、ある程度の出血を伴います。輸血を回避するために、手術前数週間の間にご自分の血液を採血してためておく、貯血を行い、術後に体に戻します。また術後に傷の中に出た血液は吸引をして貯め、もう一度体に戻す術後回収式自己血輸血も併用します。これらの処置により輸血はほぼ回避できます。

術後のリハビリは、当院ではリハビリテーション部と協力してしっかりとしたメニューで取り組んでいます。術後2日目に歩行練習を開始し、ほとんどの方は術後3週間で一本杖歩行が可能になり退院できます。

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右変形性股関節症の方です。手術前は非常に痛みが強く歩きにくかったですが、術後1週間で杖歩行が可能となり、3週では杖なしで早くスムースに歩けるようになりました。

人工関節センター

大阪府立急性期・総合医療センター

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