先輩救急専門医に聞く(2)
山川一馬先生のプロフィール
卒後9年目で現在、大阪大学医学部救急医学講座大学院生。
日本救急医学会専門医/日本化学療法学会抗菌化学療法認定医。日本外科学会、日本外傷学会、日本集中治療学会、日本中毒学会、日本血栓止血学会、日本外科感染症学会に所属
救急医を選択したきっかけは何ですか?
医師になった以上は、人の役に立つことがしたい。その中で、困った人に全身の問題に関する相談に乗れるようになりたいと思いました。現代の医学においては専門性が重要視されており、全身を対象とした科目は数える程しかありませんでした。
そんなことを考えていた6年生の春に手稲渓仁会病院に病院実習に行き、ERを体感しました。ERなので比較的元気ではあるが、夜中になって困った症状があり来院されている多くの患者を見ました。皆、診察のうえ安心して帰宅されました。喜んでもらえるこの仕事は素晴らしいと感じました。と同時に最重症で救命できない症例も多く見ました。この幅の広さを魅力に感じて、すぐに救急に入局することを決めました。
救急医で良かったと思うのはどんな時ですか?
現在の専門は大阪大学特殊救急部の伝統である重症外傷および最重症の救急集中治療です。ともに数分を争う時間との戦いです。つまり、自分の行った治療行為に対する結果が、直ちに返ってきます。
敗血症性ショックの治療においては当初の数時間が救命率を左右するとされ、ベッタリとベッドサイドに張り付いて管理します。その中で、グングンと循環動態が改善することを実感する時は、最高です。最終的に元通りに元気になって歩いて自宅に帰るまでは見られないことが多い救急医療です。患者本人からの直接的な感謝は得られにくいですが、その分、急性期の死に瀕した状態から救命した喜びは、自ら感じることができます。
どのような人が救急医に向いていると思いますか?
仕事の形態は同じ救急部でも病院によって様々です。幅広い疾患に対して興味があれば充分です。また、最近では救急は研修医指導の格好の場と考えられており、後輩指導が好きで世話好きな人も求められています。
これから救急医を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。
救急医療は変わってきました。かつてのように連続何十時間勤務を強制されることも少なくなりましたし(なくなった訳ではありませんが)、個々の事情に対応可能な幅の広さがあります。人体における全臓器・全疾患の急性病態を扱う救急医学の特性から、あなたの興味にぴったりくる疾患・専門領域があります。
満足させる自信があります!我々は多くの人材を求めています。新しい救急医療を作りましょう。

